こんにちは!
安井事務所です!
本日は、知っているようで知らない「印紙税」についてです!
印紙税とは?
印紙税は、契約書や領収書、約束手形など印紙税法で定められた一定の課税文書に課される税金です。
印紙税は国税で、1兆円を超える規模の税収となっております。
印紙税の対象となる課税文書は第1号文書から第20号文書の20種類もあります。
納税者は「課税文書を作成した者」となっています。
印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁
当事務所では、納税者である顧問先様の租税に関して「税務代理権限証書」を税務署に提出することにより税務代理人となり税務申告や税務調査の対応をさせていただいておりますが、印紙税については税務代理人となることはありません。
これは、税理士について規定されている税理士法の第2条(税理士の業務)において、「税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税等を除く)に関し、次に掲げる事務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)を行うことを業とする。」とあり、法律上、印紙税を税理士の業務範囲外としているためです。
ある一定の金額以上が記載された契約書などは印紙税の課税対象となり、収入印紙が必要です。
そして、その契約書の種類と契約の金額によって印紙税額が変わってきます。
また、ちゃんと収入印紙を貼ってあるのか?税務調査の対象となります。
収入印紙を貼らないといけない文書で一番身近なものは、領収書かと思います。
領収書に貼らないといけない収入印紙について見ていきましょう。
以下は国税庁のホームページより抜粋しています。
★★★★★
金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。
(中略)
売上代金の受取書の場合
(注1) 受取金額が1,000万円を超える売上代金の受取書の税額は、コード7141「印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」を参照してください。
(注2) 平成26年3月31日以前に作成されたものについては、受取金額が3万円未満のものが非課税とされていました。
(注3) 営業に関しないものは非課税となります。
★★★★★
国税庁ホームページ「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」
さて、この国税庁のページを読んでみると、領収書の記載金額が税込みで5万円を超えると収入印紙を貼るのか?それとも税抜きで5万円を超えると収入印紙を貼るのか?気になるところです。
これは、書き方によって収入印紙を貼らなければならないのか?貼らなくてもいいのか?が決まってきます。
このように、税込金額で記載するのか?税抜金額で記載するのか?で収入印紙を貼らなければならないのか?貼らなくてもいいのか?が決まるのです。
▼収入印紙の納付方法
収入印紙を郵便局や法務局、コンビニなどで購入し、課税文書に貼り、消印することで印紙税の納付が完了します。
消印までしないと納付したことにならないので、注意が必要です。
消印がないと収入印紙を再利用されるおそれがあるため、ハンコや手書きで署名をすることによって消印をつけます。
印紙税は、収入印紙による納付が原則になりますが、税務署で税印を押す方法や、印紙税納付計器を使う方法、書式表示により納付する方法などがあります。
▼収入印紙を貼り忘れた場合
必要な文書に印紙の貼付けを忘れてしまうと、納税義務者は印紙税を納めなかったことになります。
その場合は、罰金として過怠(かたい)税が課されてしまいます。
過怠税は、納付しなければならない印紙税の3倍の過怠税が徴収されます。
(200円の収入印紙の貼り忘れであれば、600円。)
自主的に納付もれを申し出たときは、1.1倍に軽減されます。
▼収入印紙の消印を忘れた場合
「貼り付けた」印紙を所定の方法によって消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されることになります。
(200円の収入印紙への消印忘れであれば、200円。)
印紙の貼り付け・消印忘れがないように注意しましょう。
▼間違えて収入印紙を貼ってしまった場合
間違えて金額以上の収入印紙を貼ってしまった場合や収入印紙を貼らなくてもいい文書に貼ってしまった場合などは、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出することで、収入印紙代を取り戻すことができます。
過剰に納付してしまった税金を「過納金」、誤って納付してしまった場合は「誤納金」と言い、それらを総称して「過誤納金」と言います。
文書作成日から5年以内であれば、還付の手続きが取れます。
最近は印紙税を節約するため、電子契約書の利用が増えています。
印紙税法上、印紙税の対象になる課税文書は紙のみで、電子契約の場合は課税文書の作成には当たらないと解釈されています。
なぜなら、、、
印紙税法基本通達第44条
法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。
「用紙等に課税事項を記載し行使」する、つまり紙の書面に書いて交付することが「作成」行為となり、電子契約を締結することは、課税文書の「作成」には当たらないことになります。
そのため、電子契約だと、印紙税の対象から外れるため、印紙税を負担しなくても良いことになります。
印紙税の負担は結構大きいです。
頻繁に契約書を作成する必要がある場合は、電子契約書を導入することで、コスト削減できる場合があります。
印紙税については、国税庁の「印紙税の手引」が参考になるかと思います。
判断に迷う事例が出てきた場合は、まずはその手引きを確認してみると良いでしょう。
~お願いとご注意~
このメールマガジンは著作権法で保護されています。
許可無く複製及び転載をすることを禁止します。
また、本メールマガジンの記事を元に発生したトラブルや損害等に対して発行人はその責任を負いません。
自己の責任にて対処ください。
コメント