1.価格表示についての原則的な取扱い
消費税法では、事業者が、不特定かつ多数の人に商品の販売やサービスの提供などを行う場合において、あらかじめそれらの価格を表示するときは、その税抜販売価格等に上乗せされる消費税額を含めた価格を表示しなければならない
(=税込価格で表示しなければならない)と定められています(※)。
このことを、消費税の「総額表示義務」といいます。
※ 事業者間での取引(いわゆるBtoB取引)はその対象から除かれています。
2.令和3年3月31日までの経過措置の内容
ここ数年の間に、消費税の税率は5%から8%、8%から10%へと、引き上げられました。
このため、「総額表示」を税率が引き上げられるたびに厳格に適用すると事業者への負担が大きくなるとの配慮から、令和3年3月31日までは、一定の「誤認防止措置」を講じていれば、税抜価格のみの表示などを行うことができるという特例が設けられています。
3.特例の廃止による影響と対応
上記2.の特例は、令和3年3月31日をもって廃止されます。
このため、令和3年4月1日以降は、原則的な取扱い通り、商品の販売価格等は総額表示(税込表示)が義務付けられます。
特例の廃止によって、消費者にとっては実際に支払う価格が一目で分かるようになるというメリットが生じる一方、 これまで税抜表示をしていた事業者にとっては、総額表示(税込表示)に変更することによって、あたかも値上げをしたかのような印象を持たれてしまう可能性も考えられます。
現在、税抜価格での価格表示を行っている場合には、4月1日からの総額表示義務化に向けて、店内で事前告知を行っておくなどの対策を講じておくと良いかもしれません。
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